胃食道逆流症(GERD)

  • 胃食道逆流症(GERD)の症状

    胃食道逆流症(GERD)の症状・胸やけがする。
    ・のどや口まで酸っぱいものがあがってくる。
    ・食べたあとムカムカする。
    ・胸が痛い。(胃が痛い。)
    ・胃がもたれる。(胃が、はる。)
    ・食べると、ものがつかえる感じ。
    ・場合によっては、症状のせいで寝不足になる事もあります。
    ・上記以外にものどの違和感、せき、喘息、むし歯など
    胃や食道以外の症状が出る場合があります。

    ★消化管運動についてのインタビューを受けました。
    詳しくは大日本住友製薬(株)健康情報サイトをご覧ください。
  • 胃食道逆流症(GERD)の原因

    胃食道逆流症(GERD)の原因1胃と食道のつなぎ目に「下部食道括約筋」という筋肉があります。下部食道括約筋は食べた物を飲み込む際には食道から胃へ食べ物が落ちるよう緩みますが、それ以外の時は食べた物が逆流しないよう逆流を防ぐ働きがあります。

    胃食道逆流症(GERD)の原因2この下部食道括約筋が緩んだり、食道粘膜の(胃)酸に対する感受性が亢進している、食物の胃から十二指腸への移動が遅くなっている(胃排出低下)等の理由で胃食道逆流症を引き起こします。お年寄りや妊婦さん、肥満、不規則な生活、喫煙、ストレスが多い、食べ過ぎ、脂っこい物をよく食べる、猫背等の方は胃食道逆流症になりやすいので注意しましょう。
  • 胃食道逆流症(GERD)のタイプ

    胃食道逆流症(GERD)のタイプ<非びらん性胃食道逆流症>
    症状はあるが、食道(粘膜)に潰瘍、炎症(キズ)が見つからない場合。症状を訴える方の60~80%が該当すると考えられています。

    <逆流性食道炎>

    症状にかかわらず、食道(粘膜)に潰瘍、炎症(キズ)がある場合。
    これを放置しておくと重症化して食べ物が飲み込みにくくなったりします。
  • 胃食道逆流症(GERD)の治療

    胃食道逆流症(GERD)の治療基本的な治療は、お薬で胃酸分泌を抑制します。しかし強力に胃酸分泌を抑制するお薬でも十分な効果がない場合もあります。一般に、「逆流性食道炎」による胸やけ。呑酸には胃酸の分泌を強力に抑制するお薬が比較的よく効きます。

    一方、食道粘膜に潰瘍、炎症(キズ)がない「非びらん性胃食道逆流症」では、胃酸の分泌を強力に抑制するお薬でも50~70%の方にしか十分な効果がありません。その要因として、食道粘膜の(胃)酸に対する感受性が亢進していたり、食物の胃から十二指腸への移動が遅くなっていること(胃排出低下)が考えられています。そのため、胃酸分泌を抑制するお薬と胃排出を改善するお薬を一緒に服用することで症状が改善する場合があります。
  • コラム

    隠れた消化器症状を見つける<隠れた消化器症状を見つける>
    胸やけや呑酸を訴える患者さんのうち、強力に胃酸分泌を抑制するお薬で治療したにもかかわらず、十分な治療効果がなかった患者さんに胃腸の働きをよくするお薬を追加して服用いただいたら、消化器症状が改善した経験を多くもっています。

    高齢の患者さんでは、胸やけがあっても症状を的確に表現出来なかったり、呑酸についても長い間にそれが当たり前だと思うようになる方が多くいらっしゃいます。私は、そんな患者さんに対して「朝起きた時に、口の中が酸っぱくありませんか?」または「苦くありませんか?」などと問いかけています。その結果、患者さんが気づいていない胸やけや呑酸が見つかり、治療をすることで不快な症状が無くなったと喜ばれた方もいらっしゃいます。

    また、胸やけ等の症状に、胃もたれなどの胃の症状や便秘などの腸の症状を併せ持っている事もあります。消化菅は一本の管ですので、胸やけがあれば便秘があっても不思議な事ではありません。最もつらい消化器症状に隠れている他の消化器症状を探る事で、患者さんの治療に対する満足感を高めることが出来ると考えています。
  • 院長からのメッセージ

    院長からのメッセージ胸やけや呑酸は当人にとって、つらい消化器症状です。胸やけや呑酸が週に1~2回起きる場合には、医療機関の受診をお勧めします。その時には、ご自分が何をした時、あるいは、いつの時期の胸やけや呑酸などを感じる事が多いか等を、受診した医師に伝えることが重要となります。

    たとえば「おなかいっぱい食べた後に胸やけがする」、「朝起きた時に口の中が苦い、もしくは酸っぱい感じがする」または「焼肉やお饅頭を食べた後に胸やけがする」などです。快食・快便・睡眠を取り戻し、人生を楽しみましょう!