帯状疱疹

  • 帯状疱疹の症状

    ウイルス最初はチクチクした痛みが起こり、数日すると痛みを感じていた部分が赤くなり(紅斑)、やがて水ぶくれ(水疱)になってきます。10~14日くらい経つとと水ぶくれがかさぶたになり、かさぶたが取れて治りますが、ひどい時は腫瘍になることもあります。痛みは急激に強くなり1~2週間続きます。通常、紅斑が始まってかさぶたがとれるまで約3週間~1ヶ月くらいです。
  • 帯状疱疹の原因

    帯状疱疹の原因帯状疱疹は水ぼうそう(水痘)と同じウイルスが原因で発症します。子供の頃に水ぼうそうにかかると、治った後も水痘ウイルスは神経の中に潜伏します。よく「うつされてしまった。」と勘違いされやすいですが、疲れやストレス、日光の刺激などで体の抵抗力が落ちると、潜伏しているウイルスが突然暴れだし、帯状疱疹を発症します。その他、風邪、免疫力を抑える薬の使用、また癌にかかっている患者さんも帯状疱疹が起こりやすくなります。

    帯状疱疹はご高齢の方の病気として知られていますが、若い方や小児にもみられます。一生に一度しか発病しないと言われてきましたが、ウイルスが暴れた神経の走る所に痛みが現れるなど、二度かかる方もまれにみられます。

    ご高齢の方、糖尿病や膠原病で免疫力が落ちている方、抗ウイルス薬の治療が遅れた方などは、後遺症として痛みが残る場合があります。これは帯状疱疹後神経痛と呼ばれ、引き続き医師の指導が必要です。帯状疱疹は、患者さんの免疫力によって重症度が決まりますので、軽症だと思って無理をしてしまうと免疫力が更に低下して重症化します。
  • 帯状疱疹の起こりやすい部位

    帯状疱疹の起こりやすい部位顔面、胸~背中、腰~足など片側に多く発病します。帯状疱疹ウイルスは、潜んでいる神経にそって皮膚に症状が現れます。症状のできる場所は人によって違いますが、顔面、胸~背中、腰~足など片側に多く発病します。耳に近くにできてしまうと顔面神経麻痺を起こすこともあります。

    また、運動や知覚を支配する混合神経「三叉神経」と呼ばれる脳神経にできてしまうと髄膜炎や脳炎、腰部や下腹部にできてしまうと排尿障害や排泄障害、目の中にできると角膜炎や結膜炎の併発で失明の恐れもあるので、症状が出る箇所によってはとても注意が必要な病気です。通常は一か所のみ生じます。
  • 帯状疱疹はうつるの?

    老人、妊婦、赤ちゃんは接触を避ける帯状疱疹はほとんどうつる事はありませんが、ウイルスを含む感部に触ってしまったり、感染者と同じタオルやコップを使用すると接触感染することがあります。

    免疫力がまだ低い赤ちゃんや、妊娠されている方、ご老人、まだ水ぼうそうにかかったことがない方との接触は避けてください。妊婦さんが帯状疱疹にかかると、胎児にも影響を及ぼす場合がありますので注意しましょう。
  • 帯状疱疹の治療

    点滴<薬物療法>
    できるだけ早い時期に抗ウイルス薬を使用する事でウイルスの増殖や症状の悪化を防止します。皮膚症状には塗り薬を、痛みや炎症等の症状には内服薬を処方します。重症の方には点滴を打つこともあります。
  • 休養<心身を休める>
    帯状疱疹は休息が必要なサインです。発疹が出てから10日間は特に安静に保ってください。睡眠と栄養をよくとることが肝心です。普段忙しい方は、これを機会に養生するくらいの気持ちで休みましょう。
  • 水泡は破らない<水泡は破らない>
    水疱が破れてただれている間は、入浴やシャワーは控えて下さい。じゅくじゅくしていなければ入浴も大丈夫ですが、感染の原因となりますので、新しい水疱を破ったり、かさぶたをはがさないように気をつけましょう。入浴後は水気を良くとり、処方された薬を塗布して下さい。
  • 受診時は事前連絡を<事前連絡・早めの受診を>
    通常は怖い病気ではありませんが、症状が出る場所やその人の体調によって病気の程度が変わります。症状によっては入院の可能性もあります。 

    発見が遅いと症状を悪化させたり、後々痛みが残ったり、ひどい腫瘍になることもありますので、おかしいと思ったら早めに受診してください。帯状疱疹の可能性があって受診する場合は、感染防止や準備のため、事前にご連絡をお願い致します。