メタボリックシンドローム

  • メタボリックシンドロームとは

    内臓脂肪型肥満内臓脂肪は、お腹の中の内臓周囲につく脂肪です。この内臓脂肪が過剰にたまっている状態かつ、高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上を併せ持った状態をメタボリックシンドローム(代謝症候群)といいます。メタボになるとお腹の出っ張りが目立ちます。このような太り方は特に男性に多いです。
  • なぜメタボが危険視されるのか?

    突然死の危険日本人の死因の第1位は癌、第2位は心臓病、第3位は脳卒中です。心臓病や脳卒中のほとんどは動脈硬化が原因と考えられます。つまり日本人の3人に1人は動脈硬化で亡くなっているということです。メタボになると糖尿病や高血圧症、高脂血症などの病気を併発しやすく、またそれぞれの病気が相互に悪影響を及ぼしあい、合併症(とくに動脈硬化)が早く進行してしまうのです。

    動脈硬化によって血液の流れが途絶えると、そこから先へ酸素や栄養がいかず、細胞が死んでしまいます。これが心臓で起こるのが心筋梗塞、脳で起こるのが脳梗塞です。例として危険因子が3つ以上あった場合、危険因子ゼロの人に比べて約36倍も心臓病を起こしやすくなります。
  • メタボの診断

    サイズ測定1.体格指数値(BMI)22を正常とし、これより低い人はやせ過ぎ、25を越える人を肥満としています。
    (BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
    2.おへその位置でウエストサイズが男性85㎝以上、女性90㎝以上か。
    3.複数の病気が起きているか。(血清脂質、血圧・血糖値の検査のうち2つ以上の異常があればメタボですが、糖尿病や高血圧までの診断がなくても、予備軍であった場合、動脈硬化の予防という点からみると早期に改善が必要です。)
  • メタボになってしまったら

    ウエストを減らす第一に検査値異常の大元の原因である、過剰に溜まった内臓脂肪を減らすことです。「皮下脂肪は定期貯金・内臓脂肪は普通貯金」と言われるように、皮下脂肪は溜まるのも使うのも時間がかかる一方、内臓脂肪は溜まりやすく消費されやすい脂肪です。つまり、幸いにも内蔵脂肪型肥満は解消しやすい肥満ということです。

    様々な病気の原因である内臓脂肪型肥満を比較的簡単に解消できるとなれば、早速行動しない手はありません。まずは減量にこだわらず、ウエストを細くすることが最初の目標です。ウエストが細くなれば、内臓脂肪が減ったということで多くの検査結果が同時に改善できます。改善方法:1に運動、2に食事・禁煙、最後に薬です。
  • 運動体を使うチャンスを見つける
    車やエスカレーター、パソコン入力や事務作業など、今の社会は自分で体を動かす努力をしないと、運動量がどんどん減ってしまいます。エスカレーターに乗らず階段を上る、ひと駅前で降りて歩くなど、毎日の生活の中でできるだけ体を使う機会を見つけてみてください。
  • 食事食事の見直し
    腹八分目、寝る前には食べない、脂肪分・塩分・糖分を摂りすぎないよう味は薄めに、よく噛んでゆっくり食べる、お酒を飲み過ぎない、繊維の多い食品や野菜・乳製品・豆類・きのこ・海藻を積極的に摂る。以上の事を実践するためには、和食がおすすめです。
  • 薬検査値の改善がなければ薬で治療
    運動や食事の習慣を改めて内臓脂肪が減っても、十分に改善しない検査値が残ることもあります。その場合は薬によって治療します。メタボと診断される前に既に脂質異常症や高血圧、糖尿病などの薬を処方されていた場合は、その薬物治療を受けながら内臓脂肪を減らしていきます。
  • 検査年に1度は検査を
    メタボはもとより高脂血症や高血圧、糖尿病などの病気や動脈硬化などは、ほとんど自覚症状が現れません。一度改善した検査値が再び悪くなることもあります。心筋梗塞や脳梗塞の発作を防ぐには早期発見が重要です。年に1度は定期検査を受けるようにしましょう。