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高血圧とは
血圧には収縮期血圧(最低血圧)と拡張期血圧(最高血圧)の2種類があります。収縮期血圧とは、心臓が収縮して血液を全身に送り出す時に血管の壁に与える圧力です。拡張期血圧とは、心臓が拡張して血液を取りこんだとき血管の壁にかかる圧力です。一般的には収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上が高血圧になります。高血圧は血圧の値によって軽症高血圧、中等症高血圧、重症高血圧の3つに分類されます。
正常血圧 130mmHg未満 かつ 85mmHg未満 軽症高血圧 140~159mmHg または 90~99mmHg 中等症高血圧 160~179mmHg または 100~109mmHg 重症高血圧 180mmHg以上 または 110mmHg以上 -
血圧が高いとどうなるの?
血圧が高いと血管の壁に高い圧力が常にかかっているため、血管の壁が障害されて壁が厚くなり、動脈硬化を起こします。また動脈硬化があると血管は固くなり、血圧が更に高くなります。このように高血圧と動脈硬化は悪循環を起こし、脳出血や脳梗塞、狭心症や心筋梗塞を引き起こす原因となります。
また高血圧に糖尿病や高脂血症、肥満などの生活習慣病が合併すると、動脈硬化はますますひどくなります。高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満の4つが揃った状態は「死の四重奏」と言われています。 -
高血圧の原因
高血圧の85~90%は原因疾患がはっきりしないので「本態性高血圧」と言われてきました。しかし、本態性高血圧の発症には遺伝的要因よりも食生活や運動不足、ストレスなどの環境要因が強く関係しています。
親が高血圧だと体質が遺伝して高血圧になりやすいと言えますが、体質が遺伝するのであって、高血圧が遺伝するのではありません。日頃から生活習慣に注意することで高血圧は予防できるのです。 -
高血圧の治療
高血圧治療の目的は生活習慣の改善と合併症の予防、動脈硬化進行の抑制です。基本的には食事療法や運動療法など、生活習慣の改善を行います。日常生活の注意として禁煙、ストレス解消を心がけましょう。
それでも血圧が高い場合に降圧剤による治療を行います。降圧剤は血圧を下げ、その結果臓器への障害を抑えます。糖尿病・高脂血症などの合併症の有無で、お薬の種類や治療計画が変わってきます。 - <薬物療法>
血圧を下げるお薬(降圧薬)を処方します。降圧薬を使用し始めると、薬に頼ってしまい、食事療法や運動療法がおろそかになりがちです。降圧薬を服用していても生活習慣の改善は必要ですので、同時に生活習慣の改善を心がけましょう。 - <食事療法>
食事療法の中心は減塩です。食塩に含まれるナトリウムを多く摂り続けると血圧が上がってしまうので、食塩を調整する必要があります。
また、カロリーの摂りすぎは高血圧以外にも肥満・糖尿病・高脂血症・高尿酸血症の原因にもなりますので注意いして下さい。たんぱく質は血管を構成するのに必要な栄養素ですので、不足しないように良質のたんぱく質(枝豆・ヨーグルト・鶏肉・ブロッコリーなど)を摂りましょう。 - <運動療法>
ウォーキング、水泳、ランニングなど、酸素を取り込みながら行う有酸素運動には降圧効果があります。運動中゛ややきつい″と感じるけど、楽に会話ができるペースの運動を毎日30分程度続けましょう。ただし、狭心症や不整脈など心臓血管系の合併症がある場合は担当医にご相談下さい。